VPNを使うと回線速度が遅くなる理由——原因の切り分けと快適に使うための対策

在宅勤務や海外配信視聴でVPNを使うと通信速度が落ちる理由と、原因の切り分け方・快適に使うための対策を解説します。

VPNを使うと「なぜか遅くなる」現象

在宅勤務で会社のシステムに接続するため、あるいはセキュリティ対策や海外の配信サービスを視聴するためにVPNを利用している人は多いでしょう。しかし、VPNをオンにした途端に動画が固まったり、Web会議の映像が乱れたりして、「普段の回線は速いのにVPNだと急に遅くなる」と感じた経験がある人も少なくありません。この記事では、VPN利用時に速度が落ちる仕組みと、その対策を整理します。

VPNで速度が落ちる主な理由

VPNは、通信内容を暗号化した上で、一度VPNサーバーを経由させてから目的のサイトやサービスに接続する仕組みです。この「暗号化」と「経由」という二つの工程が、速度低下の主な原因になります。

暗号化と復号にはパソコンやスマートフォンの処理能力が使われるため、端末の性能が低いと処理が追いつかず速度が落ちることがあります。また、本来であれば最短ルートで届くはずの通信が、一度VPNサーバーを経由することで物理的な距離が伸び、遅延(レイテンシ)が増加します。特に海外にあるVPNサーバーを経由する場合は、その分だけ通信の往復にかかる時間が長くなります。

混雑したVPNサーバーが原因のケース

無料のVPNサービスや、利用者が多い時間帯の有料サービスでは、VPNサーバー自体が混雑し、処理能力の限界に近づいていることがあります。この場合、自宅の回線自体は快適でも、VPN側のボトルネックによって速度が大きく落ち込みます。速度低下がVPN固有の問題なのか、自宅回線の問題なのかを切り分けるには、VPNをオフにした状態と、オンにした状態でそれぞれ速度測定を行い、数値を比較するのが確実です。

原因を切り分ける手順

まず、VPNをオフにした状態でスピードテストを行い、通常時の回線速度を確認します。次に、同じ場所・同じ時間帯でVPNをオンにして再度計測し、数値の差を確認します。ここで大きく速度が落ちている場合は、接続先のVPNサーバーを変更してみましょう。地理的に近いサーバーや、利用者の少ないサーバーに切り替えるだけで速度が改善するケースは少なくありません。

また、VPNの接続プロトコルを変更することも有効な対策です。セキュリティを重視したプロトコルは処理負荷が高く速度が落ちやすい傾向がある一方、速度を優先したプロトコルも用意されているサービスが多いため、設定画面で選択肢を確認してみる価値があります。

それでも遅い場合に確認すべきこと

プロトコルやサーバーを変えても改善しない場合は、そもそも自宅の回線自体の速度や安定性に余裕がない可能性があります。VPNは通信に負荷を追加する仕組みである以上、元となる回線速度に十分な余裕がなければ快適に使うのは難しくなります。オンライン会議やクラウドゲームなどVPN経由での利用が多い人ほど、余裕を持った速度の回線を選んでおくことが、結果的にストレスの少ない利用につながります。

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